廃業支援(会社の清算)
相続とは、本人の負債を含む財産を包括的に承継することです。したがって、相続開始時点で存在する財産のうち、一部を承継し、その他を承継しないといった選択の余地はありません。
本人が会社を経営している場合、この会社の株式が相続財産に含まれ、株式を承継することを通じて、会社支配権(経営権)も承継します。一般的に事業承継対策は、いかに税務上のコストを削減し、法的に安定した状態で事業を承継させるかという視点から語られています。
しかし、相続対策という観点で、会社(正確には株式)という相続財産をみた場合、上記のように会社を相続させる前提だけではなく、そもそも会社を相続させないという方法もあります。事業自体は収益性を確保しているものの親族に後継者がいない、将来的に経営環境の悪化が予想されるため資産超過のうちに事業を清算したい等、様々な理由で廃業(会社の清算)を選択する事例を目にします。
会社(株式)は、本人が有する財産の一つにすぎませんので、整理としては、資産家の相続(資産承継)のSTEP5「資産の整理・組み換え・有効活用」に相当します。会社を不動産と同様に考えれば、不動産を売却して金銭化することと類似した処理と言えます。
もっとも、会社には、従業員、取引先等の多種多様な利害関係人が存在するのが通常であり、これらの利害関係人との関係を法的に処理しつつ、会社法にしたがって清算手続を行うことなど多様な手続きを要求されるため、全体像の把握・整理、実行段階の事務処理の負担が重くなります。